職務経歴書の書き方|未経験でも伝わる3つの工夫

転職準備
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「未経験だけど、この業界にチャレンジしたい」
そう考えて求人に応募しても、なかなか書類選考が通らない…そんな経験はありませんか?

特に転職活動で大きなカギを握るのが「職務経歴書」です。
経験が少ない、あるいは未経験の職種へ挑戦する場合でも、伝え方次第で評価されることは可能です。

この記事では、
✅職務経歴書と履歴書の違い
✅未経験でも伝わる3つの工夫
✅基本構成とテンプレート
✅NG例と改善方法
などをわかりやすく解説していきます。

「どうせ未経験だから…」とあきらめず、“伝える工夫”でチャンスをつかみましょう!

職務経歴書とは?履歴書との違い

転職活動では、「履歴書」と「職務経歴書」の両方を提出するのが一般的です。
この2つは似ているようで役割が大きく異なります。違いを理解して書き分けることで、採用担当者に自分の魅力がより伝わりやすくなります。

具体的に履歴書は「あなたが誰か」を伝える書類で、職務経歴書は「あなたが何をできるか」を伝える書類です。

履歴書:あなたが「誰か」を伝えるためのもの

履歴書は、応募者のプロフィールや基本的な経歴を伝えるためのフォーマットです。
一般的に以下のような内容が含まれます。

  • 氏名、住所、連絡先
  • 学歴、職歴の概要
  • 資格・免許
  • 志望動機(簡潔に)
  • 本人希望欄 など

履歴書は書式がある程度決まっており、採用担当者が応募者の概要を「一目で把握する」ための書類です。
どちらかというと“定型情報”を中心にした自己紹介的な役割を持っています。

職務経歴書:「何ができるか」を伝えるためのもの

一方の職務経歴書は、これまでの仕事の内容や成果、スキルを自由形式でアピールできる書類です。
とくに転職ではこの職務経歴書が「評価の軸」になります。

職務経歴書で伝えるべきことの例:

  • どんな職務に携わっていたか(業務内容)
  • どんな成果を上げたか(定量的に)
  • どんなスキル・知識を身につけたか
  • チームでの役割や工夫したこと

職務経歴書は、応募先企業にとって「この人は戦力になるか」を判断する重要な書類です。
未経験の職種であっても、「これまでの経験をどう活かせるか」を伝えられれば評価につながります。


このように、履歴書と職務経歴書は目的も伝え方も異なるため、それぞれの役割を理解して書き分けることが、転職成功への第一歩になります。

未経験でも伝わる職務経歴書の3つの工夫

「未経験だからアピールできることがない」と感じる方は多いですが、それは大きな誤解です。
伝え方を工夫すれば、今までの経験やスキルはしっかりと武器になります。
ここでは、未経験でも採用担当者に響く職務経歴書を書くための3つの工夫を紹介します。

1. 共通するスキルを“翻訳”して伝える

未経験とはいえ、まったくゼロからのスタートではありません。前職で得たスキルの中には、新しい職種にも応用できるものが必ずあります。

たとえば…

  • 事務職 → エンジニア職:「正確なデータ処理」や「報告資料の作成」は論理的思考に通じる
  • 営業職 → カスタマーサポート:「傾聴力」や「顧客対応経験」はそのまま強みになる

このように、前職で培ったスキルを新しい職種にどう活かせるかを、自分の言葉で丁寧に伝えることが大切です。「未経験だから不利」と思い込まず、経験の本質を“翻訳”してアピールすることで、十分に評価される職務経歴書を作ることができます。

2. 実績や数字で“信頼感”を生む

未経験の職種に応募する場合でも、「成果」や「数字」を使って過去の実績を伝えることで、あなたの仕事ぶりに対する信頼感が高まります。

たとえば…

  • 「業務改善の提案で、月の残業時間を●時間削減」
  • 「新規顧客開拓で前年比●%の売上増」
  • 「社内アンケートで満足度●%を獲得」

こうした実績は、職種が異なっていても「結果を出せる人」「再現性のある行動ができる人」としてポジティブに捉えられます。数字が入ることで説得力がグッと増すため、過去の経験を振り返り、成果が表れているエピソードがないかを洗い出してみましょう。

「でも、そんな大きな実績なんてない…」という方も大丈夫。特別な成果でなくても、日々の仕事の中で積み重ねてきたことが十分アピール材料になります。

たとえば…

  • 「毎月の請求書処理を100件以上、ミスなく対応」
  • 「新人教育を任され、3ヶ月で独り立ちまでサポート」
  • 「1日平均50件の電話対応で、クレーム率ほぼゼロ」

このような小さな数字の積み重ねも、誠実さや継続力を裏づける立派な実績です。過去を丁寧に振り返り、自分の「やってきたこと」を具体的な数値とともに伝えていきましょう。

3. 未来のビジョンをセットで語る

未経験からの転職では、これまでの経験に加えて「これからどう成長したいか」「なぜこの仕事に挑戦したいのか」といった未来志向の姿勢を伝えることが大切です。
「熱意」や「学ぶ意欲」は、ポテンシャル採用を重視する企業にとって非常に重要な評価ポイントになります。

たとえば…

  • 「エンジニア職に挑戦するため、独学でHTML/CSSを学習中。現在はJavaScriptにも取り組んでいます」
  • 「人と関わる仕事がしたくてキャリアチェンジを決意。現在はカスタマー対応スキルを高めるため、接遇や電話応対の研修にも参加しています」
  • 「将来的にはディレクションも担えるよう、マーケティングの知識も学び始めています」

このように、目指している方向性や自分なりに努力している姿を伝えることで、「未経験でもこの人なら伸びそう」と思ってもらえる可能性が高まります。

企業は「今できること」だけでなく、「今後どんな活躍をしてくれそうか」も見ています。だからこそ、これから挑戦したいことや、入社後にどんな貢献ができるかを具体的にイメージし、言葉にしておくことが重要です。

職務経歴書の基本構成とテンプレート

職務経歴書は、あなたの経験やスキルを読み手(採用担当者)に伝えるための資料です。見やすさ・わかりやすさを意識して構成することが重要です。以下のような基本構成に沿って書くと、内容が伝わりやすくなります。

職務経歴書の基本構成(例)

  1. タイトル・日付・氏名
     ページの上部に「職務経歴書」と明記し、右上などに日付と名前を記載します。
  2. 職務要約(全体のまとめ)
     経験業務やスキルをコンパクトにまとめます(3〜5行程度)。初めて読む人が「どんな人か」を掴める導入部分です。
  3. 職務経歴(時系列での業務内容)
     勤務先ごとに、「会社名」「在籍期間」「業務内容」「実績」などを記載します。できるだけ数字や具体的な成果を入れると効果的です。
  4. 活かせるスキル・資格など
     応募先の仕事に関連するスキルや、保有している資格などをアピールします。
  5. 自己PR
     これまでの経験をどう活かしていくか、自分の強みや今後のビジョンを簡潔に伝えます。

テンプレート(記載例)


職務経歴書

作成日:2025年7月14日
氏名:山田 太郎


【職務要約】
大学卒業後、〇〇株式会社にて営業職として5年間勤務。法人営業を中心に、新規顧客開拓や既存顧客フォローを担当。継続的に前年比120%の売上を達成。未経験ながら、エンジニア職へのキャリアチェンジを目指し、現在はプログラミングスクールでHTML/CSS/JavaScriptを学習中。


【職務経歴】

■〇〇株式会社(2019年4月~2024年3月)
業種:法人向けITサービス
従業員数:200名
雇用形態:正社員
職種:法人営業

【主な業務内容】
・中小企業向けにITツールの提案営業
・新規開拓(毎月15社へアプローチ)
・見積もり・契約書作成、導入後のフォロー業務

【実績・成果】
・2022年度:新規契約数トップ(営業20名中1位)
・売上前年比120%を3年連続で達成
・顧客アンケート満足度:平均92%


【保有資格・スキル】
・基本情報技術者試験(2024年合格)
・Excel関数、Word文書作成、PowerPoint資料作成
・HTML/CSS/JavaScriptの基礎知識(学習中)


【自己PR】
営業職として顧客の課題に向き合い、提案・改善を重ねてきた経験があります。特に「相手の話を丁寧に聞く力」や「課題に応じた提案力」は、未経験のエンジニア職でも活かせると考えています。今後は技術スキルをさらに深め、チームにも貢献できる存在を目指します。


このように、「簡潔に・具体的に・読みやすく」まとめることで、未経験でもポテンシャルがしっかり伝わる職務経歴書になります。

NGな職務経歴書の例と改善策

未経験職への転職では、「やる気」や「ポテンシャル」をうまく伝えることが重要です。しかし、書き方を間違えると、せっかくの強みが採用担当者に伝わらないことも。ここでは、ありがちなNG例と、その改善策を紹介します。


NG例①:抽象的な表現ばかりで具体性がない

【自己PR】
前職では周囲との協調性を大切にしながら、積極的に業務に取り組みました。今後もコミュニケーション力を活かして貢献していきたいと考えています。

このような表現は、悪くはありませんが抽象的で「どんな仕事を、どうやって、どんな成果を出したのか」が伝わりません。

改善ポイント:具体的なエピソードや数字を加える

【改善後の自己PR】
営業職として、顧客のニーズを丁寧にヒアリングし、最適な提案を行ってきました。実際に、新規導入先企業10社中8社からリピート契約をいただくなど、信頼関係の構築に努めてきました。こうした傾聴力と提案力を、今後は未経験のカスタマーサポート職にも活かしていきたいと考えています。


NG例②:ただの職務の羅列でアピールが弱い

【職務経歴】
・電話対応
・資料作成
・データ入力

これでは仕事内容はわかっても、「何が得意なのか」「どんな姿勢で取り組んでいたのか」が伝わりません。

改善ポイント:工夫した点・成果・学びを添える

【改善後の職務経歴】
・営業資料を用途別にテンプレート化し、作成時間を月5時間短縮
・問い合わせ内容をExcelで集計・分析し、対応漏れゼロを実現
・お客様のニーズに応じた資料作成を心がけ、営業担当からの依頼数が1.5倍に増加


NG例③:「未経験なので何もできません」感を出してしまう

未経験職への応募だからといって、自信のなさが見える書き方は避けましょう。

【自己PR】
今回は未経験の分野への応募となるため、貢献できることはまだ多くありませんが、努力していきたいです。

改善ポイント:ポテンシャルと意欲をセットで伝える

【改善後の自己PR】
未経験ではありますが、これまでの業務で培った正確性やスピード感を活かし、早期にキャッチアップして戦力になる覚悟です。現在は業務の理解を深めるため、業界研究や関連書籍での学習を日々行っています。


このように、ありがちなNGパターンを避けるだけでも、職務経歴書の印象は大きく変わります。

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