転職面接「なぜうちの会社？」に答えられない人がやるべき３つのこと

「面接で必ず聞かれると分かっているのに、『なぜうちの会社なのか？』がうまく答えられない…」
そんなモヤモヤを抱えている人は、決して少なくありません。とくに、業界研究が浅い状態や未経験分野への転職では、魅力を感じていても言葉に詰まってしまうことが多いでしょう。

しかし、「なぜうち？」に答えられないのは、やる気や熱意が足りないからではありません。多くの場合、単に自分の考えと企業の情報を結びつける準備が足りていないだけです。視点を変えて整理すれば、誰でも説得力のある答えを作ることができます。

この記事では、

「なぜうち？」が答えられない理由
明確に答えるための3つの視点
企業研究で必ず押さえるべきポイント
よくあるNG回答と改善例

を具体的に解説します。志望度の高さをしっかりアピールできる答えを作り、自信を持って面接に臨めるようにしていきましょう。

「なぜうち？」が答えられない理由
「なぜこの会社か？」を答える3つの視点
企業研究で見るべき3つのポイント
よくあるNG回答と改善例
まとめ｜“なぜうち？”は志望度の高さを見せるチャンス

「なぜうち？」が答えられない理由

転職面接で必ずと言っていいほど聞かれる「なぜうちの会社なのか？」という質問。
結論から言えば、うまく答えられないのは“自分と企業の接点”が整理できていないからです。特に以下の3つの理由が絡んでいる場合が多くあります。

企業研究が浅い
自己分析が不十分
志望理由が抽象的すぎる

それぞれ、具体的に見ていきましょう。

企業研究が浅い

企業研究が不十分だと、相手に合わせた具体的な回答ができません。
例えば「御社の安定性に魅力を感じた」という答えは、一見プラスに聞こえますが、実はどの企業にも当てはまるため説得力に欠けてしまいます。

面接官が知りたいのは、「数ある会社の中で、なぜこの会社なのか」という点です。そのためには、事業内容や業界での立ち位置、他社にはない強みや特徴まで把握しておく必要があります。

浅い研究のまま臨むと、ありきたりで誰でも言えそうな答えになり、志望度が低いと判断されかねません。つまり、企業研究は「本気度」を示す大切な裏付けになるのです。

自分の軸が定まっていない

「なぜうち？」に答えられないもう一つの大きな原因は、自分自身の軸が曖昧なことです。キャリアの方向性や仕事で大切にしたい価値観が整理されていないと、志望動機も表面的なものになってしまいます。

例えば「成長したいから」「やりがいがありそうだから」という答えは、一見前向きですが、どの会社でも言えてしまう内容です。逆に、自分の強みや興味をもとに「新規事業の立ち上げに携わりたい」「チームで成果を出せる環境を重視している」といったように軸が明確なら、企業との結びつきも自然に語れるようになります。

軸が定まっていないままでは、面接官に「この人は本当にうちで働くイメージを持っているのか？」と疑問を持たれてしまいます。つまり、自分の軸を持つことは、志望理由に説得力を与えるための土台なのです。

応募理由が条件面に偏っている

「なぜうち？」と聞かれたときに、給与や休日といった条件面ばかりを理由にしてしまうのもNGです。もちろん待遇は大事な要素ですが、それだけを強調すると「条件が良ければ他社でもいいのでは？」と思われてしまいます。

例えば「土日休みだから」「給与水準が高いから」という答えは、働く側の本音としては自然でも、面接官には“会社への関心”や“貢献したい意欲”が伝わりません。
逆に、条件面を入り口にしながらも「その制度を活用してスキルを高めたい」「安心して働ける環境だからこそ長期的に貢献できる」といった形で会社への姿勢につなげると、納得感が増します。

条件面だけに偏った答えは、志望度の低さを疑われる大きな要因になります。したがって、待遇の魅力をどう活かし、会社にどんな価値を提供できるかまで言語化することが重要なのです。

「なぜうち？」に答えられないのは、企業研究の浅さ・自己分析不足・条件重視の応募理由が原因です。これらが重なると志望度を疑われます。逆に一つずつ解消すれば、説得力ある答えができるようになります。次章ではその具体的な準備法を解説します。

「なぜこの会社か？」を答える3つの視点

次に転職面接で必ずと言っていいほど聞かれるのが「なぜこの会社なのか？」という質問。
結論から言えば、説得力のある答えをするには “企業と自分の接点を具体的に語れるかどうか” がポイントになります。
ところが、面接でうまく答えられない人は、この接点を見つけるための視点が欠けていることが多いのです。

特に重要なのは、次の3つの視点です。

企業研究（その会社の強みや特徴を理解する）
自己分析（自分の経験や強みとの接点を見つける）
将来のビジョン（会社の方向性と自分のキャリアを重ねる）

この3つを組み合わせることで、面接官が納得する志望動機を語れるようになります。
次の章から、それぞれの視点を具体的に見ていきましょう。

企業研究｜会社の特徴を理解する

面接官が本当に知りたいのは、「数ある会社の中で、なぜこの会社なのか」という点です。そのためには、事業内容や業界での立ち位置、さらに他社にはない強みや特徴まで把握しておく必要があります。

浅い研究のまま臨むと、ありきたりで誰でも言えそうな答えになり、「志望度が低いのでは」と判断されかねません。つまり、企業研究は志望動機を裏付ける“本気度”を示す大切な要素なのです。

自己分析｜自分の強みや価値観を言語化する

自己分析が不十分だと、「なぜ自分がその会社に合っているのか」を語れません。
例えば「人と接するのが好きだから営業職を希望する」という答えは、一見前向きに聞こえますが、どんな会社でも通用してしまい、説得力に欠けてしまいます。

面接官が知りたいのは、あなたの経験や強みが「その会社の仕事」にどう活きるのか、という点です。そのためには、自分の得意分野や価値観を具体的に言語化し、企業の特徴と結びつける必要があります。

自己分析を深めることで、あなたならではのオリジナリティある志望動機につながり、「この人だからこそ必要だ」と感じてもらいやすくなるのです。

将来ビジョン｜会社と一緒に描く未来像を持つ

志望理由が抽象的すぎると、「この会社で働く意味」が伝わりません。
例えば「スキルアップしたい」「成長したい」といった答えはポジティブですが、どんな職場にも当てはまるため、印象に残りにくいものです。

面接官が本当に聞きたいのは、「この会社でどんな未来を描いているのか」ということです。企業の方向性と自分のキャリアビジョンを重ね合わせ、「御社の海外展開に携わり、自分もグローバルに活躍したい」といった形で示すことが重要です。

将来のビジョンを語れる人は、「入社後の姿」がイメージしやすく、長期的に活躍してくれる人材だと受け取られます。つまり、将来像は志望度の高さだけでなく、採用の決め手にもなり得るのです。

以上の3つのポイントを意識をして、企業研究をすることで他社との違いを理解し、自己分析で自分の強みを言語化し、将来ビジョンで会社と重ね合わせる。

この3点を組み合わせることで、説得力が増し「この人だからこそ必要だ」と思わせる志望動機につながります。

企業研究で見るべき3つのポイント

志望動機に説得力を持たせるには、表面的な情報ではなく「企業の特徴を深く理解すること」が欠かせません。その際に注目すべき視点は次の3つです。

事業内容・サービス｜会社が何を提供しているのか
業界での立ち位置｜競合と比べた強みやシェア
企業文化・働き方｜社員の価値観や社風

この3点を押さえておけば、「数ある会社の中でなぜこの会社か」を明確に答えられるようになります。次章では、それぞれのポイントを詳しく解説していきます。

事業内容・サービスを理解する

まず大切なのは、その会社が「何を提供しているのか」を正しく把握することです。単なる事業概要ではなく、自分の経験やスキルと関連付けて説明できると、志望動機に説得力が出ます。

例えばIT企業（例：クラウドサービス会社） なら、
「御社のクラウドサービスは、中小企業の業務効率化を支えている点が強みだと感じています。前職で中小企業向けシステム導入に携わり、現場での課題を見てきた経験があるため、その知見を活かして御社のサービス拡大に貢献できると考えています」
といった形で、自分の実体験を事業内容とリンクさせるのが効果的です。

このように、事業を「理解したうえで自分がどう貢献できるか」を言語化できれば、面接官に「しっかり調べている」と信頼感を与えることができます。

業界での立ち位置を把握する

企業研究では、その会社だけでなく「業界内でどのような立場にあるのか」を把握しておくことも重要です。同業他社との違いや強みを理解していると、「なぜこの会社を選んだのか」という問いに説得力を持たせることができます。

例えば 自動車メーカー を志望する場合。
「御社はEV（電気自動車）の開発に業界内でもいち早く取り組み、海外展開も積極的に進めている点が強みだと感じています。前職で海外サプライヤーとの交渉経験があり、その経験を活かして御社のグローバル展開に貢献したいと考えています」
といった具合に、他社との差別化ポイントと自分の経験を結びつけて伝えられます。

このように、業界研究と自己経験を組み合わせて話すことで、「御社だから志望する」というオリジナリティある志望動機になります。

自分がどう貢献できるかを具体化する

企業研究の最終ゴールは、「その会社で自分がどのように役立てるか」を具体的に語れることです。ここが曖昧だと「調べてきただけ」の印象で終わってしまいます。自分の経験・スキルを事業や強みと結びつけ、「入社後にどう行動するか」までイメージして伝えることが大切です。

例えば 広告代理店 を志望する場合。
「御社はSNSを活用したデジタルマーケティングに強みを持っています。私は前職でInstagramを中心としたPR企画を担当し、フォロワーを半年で2倍にした経験があります。その知見を活かし、御社の若年層向けキャンペーンで成果を出すことを目指します」
→ 具体的なスキル（SNS運用）＋成果実績＋貢献の方向性（若年層キャンペーン）が明確。

このように「会社の特徴」＋「自分の経験」＋「具体的にどう貢献するか」の3点を意識して整理すると、面接官に「一緒に働く姿」がイメージされやすくなります。

以上の3つのポイントを意識して企業研究を進めれば、単なる情報収集にとどまらず「自分だからこそ活かせる強み」を明確にできます。事業理解と自己分析、そして将来ビジョンを結びつけることで、説得力のある志望動機を語れるようになり、「ぜひ一緒に働きたい」と思わせる面接対策につながります。

よくあるNG回答と改善例

企業研究をしていないと、つい表面的な志望動機を答えてしまいがちです。例えば「御社は有名だから」「条件が良いから」といった理由は、面接官に「他社でもいいのでは？」と思われる典型的なNG回答です。
ここでは、よくある失敗パターンと、それをどのように改善すれば面接官に響く答えになるのかを具体例とともに紹介します。

NG回答例1

「御社は知名度が高く、安定しているから志望しました。」

→ 有名企業や安定性は魅力的ですが、これだけでは「どの会社でも当てはまる理由」であり、面接官の印象に残りません。
さらに「成長意欲が見えない」と判断され、消極的な志望動機だと思われてしまう可能性もあります。

改善例1

「御社が提供している○○サービスは、業界内でも高いシェアを持ち、多くの企業の業務効率化を支えている点に魅力を感じています。前職で中小企業へのシステム導入に携わった経験を活かし、御社のサービスをさらに広めることで、より多くの企業の課題解決に貢献したいと考えています。」

→ 会社独自の事業に言及しつつ、自分の経験とリンクさせることで「なぜこの会社なのか」が明確になり、説得力が増します。
このアプローチなら、他の候補者との差別化にもつながり、面接官に強く印象づけることができます。

NG回答例2

「御社は給与水準が高く、福利厚生も充実しているので志望しました。」
→ 条件面だけを理由にすると「待遇が良ければどこでもいいのでは？」と思われ、主体性や熱意が伝わりません。
さらに「入社後すぐに辞めてしまうのでは」と不安を与える要因にもなります。

改善例2

「御社のエンジニア育成制度に魅力を感じています。前職でも後輩指導を担当し、成長をサポートするやりがいを実感しました。その経験を活かしつつ、自分自身も御社の教育制度を通じてスキルを高め、長期的に貢献したいと考えています。」

→ 会社の制度に触れつつ、自分の経験と将来の成長意欲を絡めることで「この環境で働きたい」という本気度が伝わります。
その結果、待遇目当てではなく「共に成長したい人材」として前向きな印象を与えられます。

志望動機では「条件の良さ」や「知名度」といった表面的な理由ではなく、会社独自の強み×自分の経験・将来像を結びつけて語ることが大切です。そうすることで「他ではなくこの会社を選んだ理由」が明確になり、面接官に熱意と本気度をしっかりと伝えることができます。